第7回 家族の中国語の教科書と7才の娘の中国語習得――日本人家族のとある日常in上海

家族それぞれの中国語教科書

今回はうちの家族がそれぞれ学校の中国語クラスで使っている教科書をご紹介したいと思います。
現在、長男(高2)と長女(中3)と次女(年長)がアメリカンスクールで中国語クラスを取っています。
次男はESLのクラスがあるため選択教科が取れず、中国語が未だ学べていません。
今年の9月からクラスが取れるようになるので、次男はこれからですね。

そして自分が前学期、2018年9月から12月までの期間、上海交通大学で留学生は必須である中国語クラスのビギナーレベルを受講しました。

子供達が通うアメリカンスクールのハイスクール部門(9年生から12年生)では、『Chinese 1』『Chinese 2』『Chinese 3』『Chinese 4』『AP Chinese』のレベルに分かれています。
長男は2018年の4月から、長女は2018年の9月から中国語を学び始め、それぞれ現在『Chinese 1』のクラスで一緒に学んでいます。
このクラスの教科書が、こんな感じです。

落書き発見。お決まりですね。これが長女の教科書。

そして息子の教科書も見せてもらったら、兄弟揃って授業中に花(華)ですか。。。
ま、中国らしいですね。

一番下のキンダークラスで使っている教科書がこちらです。

拼音はもう終了し、今は漢字を書いたりしているようです。
みんな揃って同じノートを持っていました。

そしてこちらが私の教科書。

大学が作成している教科書だからか、中は上海という言葉が時々出てきます。
レストランで注文する会話も『辛いのがダメなら上海料理を食べに行きましょう』的な会話文が出てきていました。

それから中国では指を使って数を表す方法がよくよく使われますね。
いまだに自分は『6』を両手を使って表してしまいます。

娘の言語習得

子供達と自分の言語習得に関しては、また別の機会にゆっくりお話ししたいと思います。

今回は一番下の娘の丸暗記中国語習得の良い例があったのでご紹介します!

娘は去年の6月から地元の空手教室に通い始めました。

うちの子供達は現地校に通っていないので、なかなか地元の子供達と関わる機会が少ないことが気になっていました。
現地の子供達が通う教室に通わせたい、少しでも早く中国に馴染んで欲しい、そしてちょうど去年の今頃、中国に来たばかりで、環境の変化や友達、勉強面などで自信喪失していた時期で、何か学校以外で自尊心を育てられるような場を探してあげたいと思い、選んだ習い事が空手でした。

空手が日本の武道でもあり、きっと上海で子供を空手に通わせようと思うご家庭は日本のことも嫌いではないだろう、と思ったのも空手を選んだ理由の一つです。

事実、先生も通っている子供達も保護者の方たちもみんな本当にいい方達ばかりです。
ちなみに娘が通っている空手教室は、上海の長寧区にある星武空手道場という道場です。

こちらでお世話になってもうすぐ1年になります。
そして、この教室では毎回終わるときに『道場訓』をみんなで読み上げます。

はじめたばかりの頃は毎回読むといった感じではなく、通い始めて4ヶ月くらい経った頃から時々一緒に並んでみんなが読み上げるのを聞くようになりました。

一ヶ月くらい前に久しぶりに道場に見学に行ったら、なんと娘が一緒にこの道場訓を読み上げているではありませんか。
思わずその日の帰り、読めるようになったの?と聞きました。すると思いの外「読めない」という返事が返ってきました笑

意味はわかっているのか聞きましたが、もちろんわかっていませんでした。

自分は娘の道場訓を聞いて、あっているのかどうかもわかりません。
でも空手道場に通わせて、他の子供達と特に会話ができるわけでもありませんが、こうやってその環境の中で日々耳にする言葉を少しずつ体で習得していっているのだなぁ、としみじみ感じました。

娘が中国に来て一番最初に学んだ言葉は『很好』でした。
当時、何かするたびに娘が「フンハオ!」と言っていて、意味を聞いたら「わからないけれど何かすると先生がいつも言ってる」と言っていました。
それからしばらく経って、初めてそれが褒め言葉だと知りました。

小さい子供が第二言語を母語のように習得していくというのを、改めて実感したように思います。
言語習得は本当に面白いですね。
自分も早く中国語が話せるようになりたいです。

道場訓をみんなで読み上げているところ

娘のなんちゃって道場訓

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東山志帆上海交通大学外国語学院博士課程

投稿者プロフィール

 現在、上海交通大学外国語学院博士課程に在籍。研究分野は多文化的アイデンティティー、異文化への順応、教育機関における多文化的アイデンティティーを持つ児童生徒学生たちの脆弱性、異文化理解教育、教員教育、日中間の更なる相互理解など。2018年4月に夫の転勤に伴い、17歳、15歳、13歳、7歳の子供たちと共に上海に移住。中国に来る以前にカナダでの育児経験もあり、著者自身学生時代をカナダで過ごす。日本在住中は塾や公立中学校の英語科非常勤講師としてこれまで約15年間にわたり教育に携わってきた。日本社会、特に教育機関における帰国子女や今後日本でさらに増えるであろう海外からの留学生や移民の子供たちに対する更なる理解やサポートの充実化、日中の相互理解に向けた取り組みや双方の留学生交流の促進などが現在の主な研究テーマ。

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