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- 第28回 元首たちの古典教養その15――长风破浪会有时,直挂云帆济沧海。
第28回 元首たちの古典教養その15――长风破浪会有时,直挂云帆济沧海。
- 2017/3/18
- 現代に生きる中国古典, 西川芳樹
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2016年11月21日、習近平はペルーで演説を行い、中国とラテンアメリカの結びつきを更なるものにしようと呼びかけました。
習近平が演説で引いた「长风破浪会有时,直挂云帆济沧海。」は、唐の詩人李白の「行路難」詩に由来しています。李白は、役人として成功することを夢見て長安の都に行きましたが、望みどおりにはゆかず、長安を離れることになります。「行路難」詩は、この失意に沈む李白が詠んだ作品です。
人生を旅路に例える表現は古今東西様々な文学作品で見られます。「行路難」詩の、行く手をふさぐ険しく、厳しい道は人生の困難の比喩であることはいうまでもないでしょう。「行路難」詩には、役人としては成功しなかったが、この難局を乗り越えて更なる飛躍を遂げんという李白のあふれる気概が詠み込まれています。
習近平は、中国とラテンアメリカが、抱える様々問題を乗り越え、より強固な関係を築こうと訴えてこの詩を引いたのでしょう。
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