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通訳の心構えと法廷通訳について|中国語通訳というお仕事
- 2014/12/30
- 中国語通訳というお仕事, 須磨みのり
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せっかく学んだ中国語を仕事に活かしたいと思われている方は、多いと思われます。
通訳や翻訳の仕事は、時代と共に刻々と変化してきています、私が経験してきたことが少しでも皆さんのご参考になればと思います。経験してきた中国語関係のお仕事、そして今回、法廷通訳についてもご紹介したいと思います。
私が中国語を使ってお仕事を始めたのは通訳でした。2002年からで法廷通訳がスタートだったのです。そしてその当時から8年間ほど、中国語が必要な裁判が急激に増えてきました。オーバーステイや窃盗、麻薬取締法違反、傷害事件…。家庭裁判所では少年事件、離婚調停、高等裁判所でも控訴審など、様々な事件を通訳してきました。担当した事件は150件以上にはなると思います。
それと共に、2004年頃からは日中間の企業投資説明会、展示会、視察団訪日等、大阪でも盛んに行われるようになりました。投資説明会での司会通訳、レセプション通訳、テーブル通訳、様々な形での通訳がありました。そして翻訳会社でも翻訳コーディネーターをし、さらに一方では、地域に住む中国人の病院付き添いや役所同行のボランティア通訳もずっとやってきました。最近は、講師として通訳学校、専門学校で講師、教材作成に力をいれるとともに、個人ではYouTubeで「ブレチャイな!中国語文法100本無料動画」も配信しています。これは私自身が丸暗記の学習方法で、わかったようで分かっていない文法知識のため遠回りをした経験からで、学習者には、文法もしっかり学んで基礎力固めをしたほうが語学向上のスピーディーな助けになるのだという思いからです。
さて、話を元に戻しましょう。もちろん企業間における交流も、政治情勢に左右される事も多々ありました。事前に決まっていた訪日団も、ピタッと取りやめになったこともありました。通訳、翻訳もその時の経済や政治の変化によって仕事の内容に変化があります。通訳本番では緊張もしますし、前日眠れない時もありますが、普段会えないような時の人に会え、通常では行けない場所に呼んでいただき、「ありがとう」と言ってもらえるのは何よりも嬉しいものです。
さて、みなさんがもし企業に就職しようと思っていらっしゃるのであれば、HSK等の試験を受験されるのが良いでしょう。採用時のレベルを計る目安になるので、語学習得のご自身の熱い時期に取得しておくのがいいですね。
実は、通訳翻訳を目指すのに資格はありません。もし不安ならご自身の実力を知るために通訳学校に通ってみてもいいですし、ある程度の実力や自信があれば、やりたいと思ったら先ずはとにかく動いてみるのです。電話をしてみる、問い合わせをしてみる、会って話を聞く・・・行動をしないと何も始まりません。
例えば、法廷通訳ですが、直接お住まいの地方裁判所に電話をして、問い合わせをすると登録手順や面接等の情報を教えてくれますし、中国語要通訳事件の法廷やあるいは通常の裁判を傍聴してもいいですね。
法廷通訳のお仕事内容ですが、被告人が中国人で、その裁判を行うために通訳をするものです。裁判官、弁護人、検察官、被告人、証人、全ての発話を日⇔中に訳します。そして法廷で読み上げられる書類(起訴状、冒頭陳述、証拠等関係カード、論告求刑、弁論要旨、判決文)もすべて中国語に翻訳します。これらの書類は、判決文以外は前日までは、手元に送られてきます。
法律を知らないから・・・と尻込みをする必要はなく、法律を全く知らなくても、裁判所で手続の説明や研修を丁寧にしてくれます。裁判では裁判官等も易しい言い回し、短く区切って質問してくれます。単語や用語は仕事をしながら覚えていけばいいのです。書籍「法廷通訳ハンドブック(中国語)」は日中対訳になっています。こちらもご参考になさると良いでしょう。
英語では会議通訳、放送通訳、翻訳家…など専門分野により細分化されていますが、中国語は一人で全てやる方が多いです。学習の方法としては全てをやるつもりで、貪欲に底力UPを目指し学習していただきたい。翻訳が苦手だからと、通訳に力を入れるという方法では、いずれ頭打ちになります。
中国語のお仕事は、時代によって変化しています。今後、どんな通訳・翻訳あるいは、語学を使った仕事があるのか、どの分野が、世の中で必要とされているのか?情報収集していきましょう。もちろん観光関連業界は、今後増えてくると思いますので、どんどんチャレンジしていただきたいと思います。私も良く失敗しましたよ。うまくいったら成功、失敗しても経験、何もやらなかったら後悔です。
最後に中国語を使って将来何をしたいのか?何になりたいのか?という目標を持って学習しましょう。目標を持つとモチベーションアップにつながりますし、今の自分の能力やレベル、目標に到達するには次に何をすればいいのか?冷静に把握することができます。特に若い方は、ぜひ失敗を恐れずに目標を持って取り組んで下さい。
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2016年 10月 30日
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