中国語で怒りを表現するときの言葉として“吹胡子瞪眼”というものがあります。“瞪眼”(目をむく)のはわかりますが、“吹胡子”(ひげを吹く)は日本人にはなじみがないかもしれません。昔の中国の「老先生」は「ひげ」をたくわえていて、怒り心頭に発してその「ひげ」まで吹き動かす、ということなのです。日本語ならばさしずめ「鼻息を荒くする」ということになるでしょう。一種のボディーランゲージ(“体态语”)になりますが、このボディーランゲージは、民族によって異なります。例えば、相手の話に同意するとき(= Yes)は頭を「縦」に振り、同意できないとき(= No)は「横」に振るのは、世界のどの民族でも共通のように思われます。でも、ブルガリアやネパール、あるいは中国の少数民族であるワ族では、逆になるそうです。
中国ではレストランに行ってテーブルを指でたたくことがあります。これは別にウェートレスを呼んでいるわけではありません。“谢谢”(ありがとう)の意味なのです。人差し指で頬(ほお)をなぞるしぐさは“羞人!”(恥知らず!)ということです。親指を立てる(“竖大拇指”)のは“最好!”(一番)、“顶好!”(最高)、“了不起!”(すごい)という意味ですし、小指を立てれば(“竖小指”)、その逆に「最低」ということになります。日本とは違う意味のものもありますね。