中国で幼稚園などを訪問すると、かわいい笑顔で“阿姨好!”(おばさん、こんにちは)、“叔叔好!”(おじさん、こんにちは)と迎えられます。帰りには“阿姨再见!”(おばさん、さようなら)、“叔叔再见!”(おじさん、さようなら)と見送られるでしょう。
たとえ訪問者が若い学生であっても、子どもたちは“姐姐好!”(おねえさん、こんにちは)や“哥哥好!”(おにいさん、こんにちは)とは言いません。これを聞いたら日本の若い学生たちは「何だ、私たちをおばさん、おじさん呼ばわりして」「おばさんと呼ばないで」と気を悪くするかもしれません。実はこれは一種の「敬語表現」なのです。
中国では“辈数儿”(長幼の順序)が極めて重要な概念の一つであり、若い人でも“阿姨”“叔叔”と呼ぶことは、自分より一世代上として尊敬していることになるのです。年よりも上に見られることは、中国ではむしろ喜ばしいことなのです。