私がまだ大学生のころ「痰がからむ」を中国語でどう言うか留学生に尋ねると、彼はしばらく思案して、こう答えました。
嗓子里有痰。Sǎngzili yǒu tán.
“有”「ある」だって?! なーんだそんなんでいいんだー、と拍子抜けしたのを今でもよく覚えています。
「痰がからむ」は日中辞典を調べると“堵dǔ”を使っている例文もありますが、結局は「痰がのどにある」ということなので、“有”でも一向に構わないのです。「からむ」は、どのように「ある」のかを少し詳しく述べたに過ぎません。どこかに何かが「ある」、つまり存在を表す内容で、日本語の動詞に対応する適当な中国語がとっさに出て来なければ、すぐ“有”に転換するテクニックを身につけておくと、スピーキングがかなり楽になります。
「そこにはとても多くのビルが建っています」はどう言うでしょうか? 「建っている」は“盖gài”なのか“建jiàn”なのか、はたまた“盖着”なのか“盖了”なのか瞬時に判断できなければこうすればいいのです。
那里有很多大楼。Nàli yǒu hěn duō dàlóu.
ちなみに広い意味での気象現象も“有”が使えるものが多いようです。“有雷léi”「雷が鳴る」、“有地震dìzhèn”「地震が起こる」、“有风fēng” 「風が吹く」などと言っても構いません。
“有”を使った文は、中国語だけ見ると簡単そうですが、日本語からの転換は意外と難しいので、頭の切り替えが速くできるよう中国語を話すときはセンサーを働かせてください。
(練習問題)中国語に訳してください。ただし動詞は“有”を使ってください。
1)教室に絵が一枚飾ってあります。
2)今夜は雨が降ります。
3)髪の毛に何かついていますよ。
1)教室に絵が一枚飾ってあります。
教室里有一张画。
2)今夜は雨が降ります。
今天晚上有雨。
3)髪の毛に何かついていますよ。
你头发上有小东西。
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