名前の尋ね方・呼び方
尋ねられない限り自分の名前を押し売りしないのが、中国の伝統的な作法です。もちろんケースバイケースで、いろんなパターンはありますが、基本は知っておくべきだと思います。
一昔前、まだ携帯電話が普及していなかったころ、固定電話では日本のように「◯◯と申しますが、××様はいらっしゃいますか」とは言わず、直接“××在吗?”などから入り、尋ねられて初めて“我是○○。”と答えていましたね。
もし何かの集まりがあって、相手に好印象を持ったなら、こちらから積極的に名前を尋ねましょう。相手もこちらの名前を尋ねてくれれば、友人になってもいいというサインです。
名前の尋ね方は、初級では“你叫什么名字?”と“您贵姓?”などを学びます。相手が同世代か年下なら“你叫什么名字?”、上の世代なら“您贵姓?”を使います。年下でも、子どもでなければ使えます。そして、どちらも最初に“请问”を足しておきましょう。
“你叫什么名字?”と尋ねれば、フルネームが返ってきますので、後はフルネームで相手を呼べば、日本語の「…さん」のニュアンスで伝わります。ところが“您贵姓?”だと、当たり前ですが姓しか返ってきません。もし王さんならどう呼びましょう。
まず、一文字では呼べないので、二文字以上にします。中国語は身分と世代によって呼び方を変えなければなりません。相手がホワイトカラーのようなら男性は“王先生”、女性は“王女士”、職業や役職が分かれば、それを利用して、学校の先生なら“王老师”、会社社長なら“王总zǒng”のように言います。ブルーカラーのようで自分の親の世代なら、男性は“王大叔shū”、女性は“王大妈”などと言います。しかし、これは固定されたものではなく、他にも多くの呼び方があります。ここまでくると、初級学習者にはちょっと厄介です。
ならば、今回登場した中で身分が上位の“先生”と“女士”で呼んでみて、相手の様子をうかがいましょう。
問題なければこう呼べばいいですし、嫌なら別の呼び方を教えてくれるでしょう。
難しそうですが、実際にはそれほど心配はいりません。ビジネスシーンでは、名刺を交換しますし、紹介を通して知り合う場合などは、事前に情報があります。また、他の人がどう呼んでいるか観察すればだいたい分かるものです。
いずれにしても、名前は知っているだけではいけません。中国では、コミュニケーションの道具として名前を呼ぶ行為はとても有用です。具体的には、またの機会にお話しますので、どうぞお楽しみに……
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