今回は中国語の作文をするのにもってこいのウェブサービスを一つ紹介します。
Lang-8とは、言語学習者のための相互添削型のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS=人と人とのつながりを促進・サポートするウェブサイト)です。相互添削型のSNSというと少しわかりにくい表現と感じるかもしれませんが、簡単に言うとインターネット上で、ユーザー同士が書いた文章を添削しあうというサービスという意味になります。このサービス自体は中国語学習に限定したサービスではなく、英語、日本語をはじめ90言語の学習が可能であるとされています。
このサービスでは、最初の登録時に自分自身の母語と学習中の言語を指定します。そして学習中の言語で日記などの文章を書いていきます。書いた文章は指定した範囲(Lang-8メンバー以外からも見える、Lang-8のメンバーのみ、Lang-8マイフレンドのみの3種類)の人が見ることができ、その文章を見た、あなたが学習中の言語と指定した言語を母語にしている別の誰かが添削してくれます。そして、お返しにあなたがお礼にその人の文章を添削したり、また自分が母語に指定した言語で書かれた文章を添削したりすることができます。このように相互に非母語話者と母語話者とが添削し合うことで成り立っているのがこのサービスの特徴と言えます。
ユーザー同士で添削し合うことで、語学学習の輪が広がっていき、その反応を見ることも楽しみの一つとなり、文章や日記を書くという行為を習慣化させることが期待できます。またこのサービスでは、添削できる人数は一人に限定されず、複数の人の添削を受けることができます。さらに文章を投稿してから通常数分で数件の添削が届き、複数の添削結果を比較することでき、それにより添削結果の信頼性を高めることも期待できます。
このサービスを利用する際には、無料会員、有料のプレミアム会員の2種類から選択することができます。FacebookとTwitterアカウントを利用してもログインすることができます。無料会員でも日記の執筆、添削、添削結果の表示や比較といった基本的な機能は全て利用することができます。
有料のプレミア会員になると、投稿の際の画像のアップや、投稿や添削データのダウンロード、学習言語の追加、広告の非表示などの機能を利用することができます。詳細は次の画像をご覧ください。
以下では画像を交えながら簡単に使い方を解説します。
ユーザー登録とログイン
ユーザー登録ではFaceBookやTwitterのアカウントを利用することもできます。必要事項を記入し、登録の上ログインしてください。
投稿画面
投稿する際には画面上にある「投稿する」ボタンをクリックし、開いたウィンドウで、以下の手順で操作していきます。
1.添削してもらいたい言語を選択
2.選択したい言語で本文を書く
3.公開範囲を決める
全体(Lang-8メンバ以外からも見える)
Lang-8のメンバーのみ ←オススメはこれ
Lang-8マイフレンドのみ
公開しない(自分のみ) ←添削を希望するならこれは絶対だめ
実際に投稿してみました。
※ここで例として投稿している文章はわざと間違っている箇所がいくつかあります。
必要事項を記入して「投稿する」ボタンを押せば投稿完了です。実際にやってみた感触としては長い文章よりも一段落くらいでさっと読めて、さっと添削できるぐらいの分量のほうが添削されやすい傾向にあります。1行日記のように本当に簡単な文章を毎日書いていくだけでも力がつくと思います。また1日1回という制限はなく、何回でも投稿することができるので、ツイッターのように感じたことや、やったことを呟いてみるのもいいかもしれませんね。
添削画面
さて次は添削画面です。どのように添削される(する)のか見ていきましょう。
投稿した文章は、添削モードになると、書かれた文章を自動的に「。」から「。」までに分割し、その単位で添削していくことになります。1文1文確認し、間違いがなければ「パーフェクト」、間違いがあれば、「添削する」ボタンを押して文章に修正し、必要に応じて説明を加えていきます。
そして誰かが自分の書いた文章を添削してくれると、登録しているアドレスに通知メールが、あるいはLang-8のヘッダー部分に通知が表示され知らせてくれます。
添削結果は次のように表示されます。
複数の人が添削した場合は、添削された箇所が並べて表示されます。
また、添削について疑問を感じた場合は添削者に質問することもできます。以下の画像では“保育园”と書いたものを“幼儿园”と修正されたので、日本の「幼稚園」について説明し、再度確認を求めたところ、添削者との会話を通じて日本の「保育園」に対応するものが中国にはなく、社会問題化しているということが分かりました。
中国語の勉強をしている人は、是非Lang-8を使って中国語で文章を書く習慣をつけてみてください。
なおこの記事で引用している画像はLang-8のユーザーで投稿した文章について添削、コメントをいただいたP.tinaさんとff1103さんに依頼の上、許可をいただき掲載しているものです。そのためこのページの該当画像に限り他のサイトへの転載はご遠慮ください。
この記事は2014年8月に開催された「中国語教授法研究会」で紹介したものをまとめたものである。
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