会話クラスでは、冒頭でレベルに合わせて少し近況を話してもらいます。何をどう言ってもいいのですが、レベルが少し上の受講者には、以下のような単純な羅列は禁止しています。
我昨天买了毛衣,然后看电影,然后吃饭……(昨日はセーターを買って、それから映画を観て、それからご飯を食べて……)
話をするときは一つの話題にこだわり、内容をころころ変えてはいけません。そのほうが表現力アップにもなりますし、コミュニケーションにおいても相手が話に入りやすいのではないでしょうか。こんな感じです。
我昨天买了一件毛衣。是红色的,很好看。(昨日セーターを買いました。赤色で、とてもきれいです)
さて、量詞には単に人や事物を数えるためだけでなく、後にどんな名詞が来るかを前もって説明する役割もあります。先に“件”を置くと後には服か荷物などが来ると予想でき、相手に伝わりやすくなります。さらに、話の冒頭で“买了一件毛衣”のように言うと、それは「さあ、これから買ったセーターについてお話しますよー」という意味合いが強くなります。その証拠に、羅列文のほうは話題が移っていくので量詞を言わなくて構わないのです。
日本語訳を見れば分かるとおり、“一件“「1着」はふつう日本語には現れません。ですので、初級のうちからかなり意識的に使っていないと、この用法はマスターできません。こういうものこそ構文化して練習してほしいと思います。
【動詞 +(一)量詞 + 名詞 → 叙述】
数字は基本的に“一”です。ポイントは量詞自身にありますので、“一”は強く読む必要はありませんし、省略しても構いません。
(練習問題)中国語に訳して下さい。
1)魯迅の小説を読んだことがありますが、私には難しすぎました。
2)駅前に店があり、そこのものはみんなとても安いです。
3)台湾映画を観ましたが、とてもおもしろかった。
1)魯迅の小説を読んだことがありますが、私には難しすぎました。
我看过一本鲁迅的小说,不过对我来说太难了。
2)駅前に店があり、そこのものはみんなとても安いです。
车站前面有一家商店。那里的东西都很便宜。
3)台湾映画を観ましたが、とてもおもしろかった。
我看了一部台湾电影,觉得很有意思。
追記
私のネイティブチェッカーから、羅列文でも最初の部分は量詞がつい入ってしまうという主旨のコメントをいただきました。これは中国語の名詞が、いかに量詞と共にあるかという一つの証しだと思います。もし中国人らしい中国語を目指すなら、量詞にも十分注意して学習を継続して下さい。
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