動詞で“得”を釣る
他汉语说得很好。Tā Hànyǔ shuōde hěn hǎo.(彼は中国語がとても上手です)
こういう“得”を使った補語は初級テキストで習いましたね。補語というくらいですから、何かを補うのです。しかも後ろから。上文は“说”を、補語の“很好”が、後ろから補っています。中国語は補語を使いこなせるようになると、表現力がかなりアップするのですが、“得”補語も慣れないうちはスピーキングで使う発想になかなか行きつきません。そこで今回は“得”補語に向う第一歩をどう踏み出せばいいのかを考えたいと思います。
“得”は動詞と形容詞の後に付きますが、まずは動詞を攻略しましょう。コツは【動詞(…すること)+“得”】の形をスムーズに作ることです。
例えば、「話すことが上手い」はまず“说得”を作って、後に「上手い」の“好”と続ければオーケー。最初は上手・下手、良い・悪いから練習して、慣れてくれば、簡単な形容詞を入れてみましょう。「話すことが速い」は“说得快”、「話すことが少ない」は“说得少”のように言えばいいのです。たとえ「上手く話す」や「速く話す」などのように語順が変わっても、あわてずに同じ要領で、まず動詞をつかんで“说得”としてしまえばいいのです。
なーんだ、意外と簡単じゃん!と思うのはまだ早いですよ。一つ難関があります。「日本語は名詞を好み、中国語は動詞を好む」という大原則が、ここでも当てはまります。「彼は中国語がとても上手です」には動詞がありませんね。それに、ふつう「話すことが速い」は「早口」、「話すことが少ない」は「無口」などと言いますよね。これらの日本語の言外から「話す」“说”という動詞を引っ張り出して“得”を釣るのです。ここに技術が要ります。
最後に、テーマがあれば“他汉语说得~”のように主語の後に置きます。混乱しそうになったら、やや強調気味になりますが“汉语,他说得~”のように最初に置いても大丈夫です。
(練習問題)
“得”補語を使って中国語に訳して下さい。
1)私は字が上手くありません。
2)彼はとてもよく飲みます。
3)彼は薄着です。
1)私は字が上手くありません。
我字写得不好。
2)彼はとてもよく飲みます。
他喝得很多。
3)彼は薄着です。
他穿得少。