日本ではホームで列車を待っていると、「白線の内側でお待ちください」という放送が入ります。ところが、これを中国人が聞いてそのまま実行したら大変なことになります。中国人にとっては「白線の内側」とは線路側になるのです。ですから、中国語ならば「白線の内側」は“在白线的外边”ということになります。東西南北などの「絶対方位」に対して、「内外」や「右左」は「相対的方位」であり、どこを基準にするかで指す場所が異なります。しかも、民族や年代によっても、その「基準」が異なる場合があるのです。古代中国人は「左青龍右白虎」に代表されるように、おおむね基準点をそのものの側に置いたようですが、「大学正門の左側の喫茶店で待ち合わせましょう」と言われたとき、左右両側に喫茶店があったら、さて、あなたはどちらの喫茶店に行きますか。