使役文[#1]

AがBに何らかの動作をするように言う使役の意味を表す。
肯定形: A+“让/叫”+B+動詞(+目的語) =Bにさせる行為
否定形: A+“不/没”+“让/叫”+B+動詞(+目的語)
※動詞(+目的語) =Bにさせる行為

例文

CD222

A:老师叫我们记一百个单词。
B:加油吧!
先生は私たちに100個の単語を覚えるように言いました。
がんばって!


A:让你久等了吧?
B:我也刚来。
お待たせしたでしょう?
私も来たばかりです。


A:你为什么不参加比赛?
B:我妈不让我参加。
あなたはどうして試合に参加しないの?
母が私に参加しないように言うのです。

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 使役文[A让/叫B+V(+O)]は、AがBにある行為“V(+O)”をするように働きかける意味を表しますが、Bはその行為を実際に行わなかった場合でも文は成立します。たとえば、“妈妈叫弟弟做作业,但是他没做。”(お母さんは弟に宿題をするようにいったが、弟はしなかった)の場合、お母さんは弟に宿題をやるよう働きかけをしていますが、実現はしていません。日本語の使役文は已然形「~させた」を用いると行為が実現することを含意しますが、中国語では必ずしもそうではないので、訳に気をつけましょう。つまり、先ほどの例文を、「お母さんは弟に宿題をさせたが、弟はしなかった」と訳してしまうと矛盾が生じてしまいます。
 教科書では取り上げませんでしたが、中国語にはもう一つ、“使”を用いた使役文“A使 B+V”があります。“让”“叫”を用いた“A让/叫B+V(+O)”は、AもBも人を表わす名詞であり、動詞V(+O)は意志を持って遂行可能な自動詞や他動詞が用いられます。一方、“使”を用いた使役文は、Aにモノなどの無生物、Vに形容詞や感情を表す動詞を用いる点で異なります。このタイプの使役は「誘発使役」といい、たとえば、“他的话使我感动。”(彼の話は私を感動させた)のように用います。“叫”“让”の使役文も誘発使役を表すことができますが、“使”の使役文は書面語的で、誘発使役のみに用います。

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