15 分チャイニーズ:No.021 会話に役立つ“了”の使い方

 (a)…を~した:動詞+“了”+目的語
 「昨日は何をしましたか」と聞かれて、こう答えました。

 *昨天我看了电影。
 Zuótiān wǒ kànle diànyǐng.
 (昨日、私は映画を観ました)

 ネイティブは普通こういう言い方はしません。最低限の約束事として、「どんな・どのように・それからどうした」など具体的な内容もいっしょに話さなければなりません。

①「どんな」をプラスしてみましょう。
 昨天我看了周杰伦的电影。
 Zuótiān wǒ kànle Zhōu Jiélùn de diànyǐng.
 (昨日、私はジェイ・チョウの映画を観ました)

 ネイティブにとって最も簡単で言いやすい「どんな」があります。それは量詞です。「どんな」を加えるなら、まず量詞を考えてください。

 昨天我看了一部电影。
 Zuótiān wǒ kànle yí bù diànyǐng.
 (昨日、私は映画を観ました)

②「どのように」をプラスします。
 昨天我跟朋友一起看了电影。
 Zuótiān wǒ gēn péngyou yìqǐ kànle diànyǐng.
 (昨日、私は友達といっしょに映画を観ました)

③「それからどうした」をプラスします。
 昨天我看了电影,然后去吃了晚饭。
 Zuótiān wǒ kànle diànyǐng,ránhòu chīle wǎnfàn.
 (昨日、私は映画を観てから、晩ごはんを食べました)

 こんなふうに述べて、やっと言い切りになります。言い切りとは、一応「。」が打てるという意味です。実際のコミュニケーションシーンでは、まだ何だかんだと話は続くのでしょうが、「。」が打てる位置が分かると作文に役立ちますね。

(b)…を~した:動詞+目的語+“
 昨天我看电影了。
 Zuótiān wǒ kàn diànyǐng le.
 (昨日、私は映画を観たんですよ)

 (b)はこれだけで言い切りになります。言い切りだけを考えるなら、いつも文末に“”を置けばいいのですが、なかなかそういう訳にもいきません。(a)がそれ自体フラットな一般的叙述なのに対して、(b)は何かの感情が加わったエモーショナルな言い方です。例えば、いい映画を観て感動したとか、悲しい内容だったとか、誰かに伝えたい等々、気持ちが波立ったときにこそ文末に“”が置かれます。

 (a)は一見ややこしいですが、パターンを覚えれば不自然な中国語になりにくいので、こちらを第一の選択にしてください。

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森川 寛

森川 寛SC神戸中国語スクール

投稿者プロフィール

兵庫県明石市生まれ。1987年関西大学文学部中国文学科卒業後、3年間の商社勤めを経て、中国語講師として独立。SC神戸中国語スクール代表。現在、講師を務める傍ら、中国語テキスト、教授法などの出版と講師育成に力を入れている。趣味は、ギターとヴィッセル神戸のサッカー観戦。

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